この記事では、インドネシア語検定E級受験合格を目指す人のために書いた記事です。E級の難易度や概要、勉強方法について知ることができる内容になっています。
- インドネシア語検定E級合格の秘訣
- 独学初心者がした勉強法
- E級合格に必要な勉強時間
- 最近5回のE級合格率
- 取得後のステップ
といったところをたっぷりと盛り込んだ記事になっています。私は、独学初心者で1回で合格しました。決して高得点ではなかったので、反省点も踏まえて、ご紹介します。
確実に得点できる問題もありますので、この記事がきっかけで、あなたのインドネシア語検定E級合格のお手伝いが少しでもできたら、最高にうれしいです。
インドネシア語検定E級合格の秘訣は?
私の受験経験は、2024年7月21日(日)に初回受験でした。結果は66点で合格でした。僭越ながら、私がしてきた勉強方法などをお伝えさせていただきます。
E級合格のためにしたこと
インドネシア語検定E級合格のためにしたことを紹介します。
使った問題集と参考書は?
使った問題集は主に2種類です。
とにかく過去問
インドネシア語検定協会が発行している過去問の問題集があります。試験対策には、敵を知れ!で、過去問の対策がやはり最重要となります。1冊の中に過去4回分のC級、D級、E級の問題と解答があります。
ただ、この過去問は、解答がついていますが、解答の選択肢のみで、解説がいっさいありません。なので、勉強をするときには、ご自身で分からない単語や文法を調べていく必要があります。
一番易しい級のE級とは言え、全くの初心者では、なかなかにややこしいことになります。次の級にすすむときは、C級までは使えますので、結構お得です!
文法書は1冊は必要
そういうわけで、文法書が1冊は必要になります。
私は、3種類のインドネシア語の文法書を購入しました。しかし、メインの参考書は、こちらでした。
比較的平易な文法が、音声データもあって、繰り返し学習できます。ただ、記事を書いている現在では、角川がネット攻撃を受けて、ネットからの音声データのダウンロードができない状態です。スマホで音声データを聞くことは可能です。
⇒その後、角川のHPも復旧して、今は暫定のページから音声がダウンロードできるようになっています。パスワードは、この本の7ページ目に書いてあります。
最後の方には、単語集もあって、E級によく出題される対義語などのまとめもあって、使いやすいと思います。
E級はどんな試験?受験料や受験時期は?
では、インドネシア語検定E級とはどんな試験でしょうか?
①試験の概要
インドネシア語検定は、インドネシア語検定協会が主催する試験です。協会の公式HPはこちらです。E級は、もっとも易しい試験です。ほか、D<C<B<A<特A級の順番で難易度が増します。
②試験は1月と7月のみ
インドネシア語検定は、年に2回しか開催されません。
1次試験(E級は、1次試験のみ)は
の6か所のみ開催となります。日本全国で主要都市のみ開催で、ネットで受験はできないので、なかなか簡単に受けられる感じではないですね。
③ネット申し込みが可能
受験は、ネット申し込みが可能です。マイページを作成して、メールアドレスなどを登録して、申請期間内に専用サイトから申し込みをします。申し込み期間は、公式ページを参照ですが、およそ30日間になります。
④試験結果は約1か月後
気になる試験結果は、約1か月後になります。問題用紙の持ち帰りはできないので、自己採点ができません。なので、1か月くらい結果を待つしかありません。
誰かがXで結果分かった!とポストされていたら、結果が見れると思って自分の合否を確認する、というのがベターかと。インターネット受付の場合ですが。
試験の結果がいつ分かるのか、という点に特化した記事がこちらです!
⑤得点分布は分かるが、どこの問題が間違えたかは分からない
試験結果は、得点分布は出ます。ジャンルごとの得点は出ますが、どの問題が間違えていたかは分からないままです。のちの過去問で、自分の解答を覚えていたら答え合わせはできますが。
E級の過去5回の合格率は?
試験の概要は分かったけど、いったい合格率はどれくらい?という疑問にお答えします。
合格率は約60%
第61回から第65回までの受験者数と合格者の比率、5回分平均の合格率は62.9%です。
毎回、おおよそ6割前後の合格率で、合格基準点は6割得点とされています。が、合格率が6割程度になるところで調整が入っていると思われます。私のとき(2024年7月)も、54点が合格点でした。35問中の2問は合格基準が下がっていました。
E級合格率の推移です
次の表が過去5回の合格率です
出願者ベースというのもポイントでしょう。私が受けたときに、出願したのに受けにきていなかった人が半数近くいました。となると、真面目に受けた人はほとんどパスする、とも考えられそうです。余程、40%得点とかでない限りはです。
だんだん出願者数が増えているのは、インドネシア語に興味を持つ人が徐々に増えている証拠でしょう。
ちなみに、E級よりも1つ難しいD級の出願者数が、すべての級の中で一番多いです。出願者数が、毎回およそ50人から100人くらい多いです。
E級合格のためにしなくても良いこと、すべきこと
E級に合格するために、しなくても良いこと、すべきことを挙げてみます。
①受動態や難しい文法は出ない
E級では、受動態は出ません。比較級や時制などは出題範囲ですが、あくまで初歩のレベルなので、難しい文法は出題されません。これは、過去問で実際に解いてみると、肌感覚でレベルが実感できるかと思います。
②過去問をベースに
基本スタンスは、過去問をベースにというところに尽きます。語彙のレベル、どういう文法が必要かといったところです。
③合格率は6割7割だけど
E級の合格率は6割以上です。これは、私はけっこう高いと思います。私が受験したときは、学生さん、社会人、趣味の人がいました。試験前に雑談して判明しました。
確実に得点するためには?
E級合格のために必要な勉強法について箇条書きしてみます。
①基本単語109+αで300語くらいは必要
こちらのお兄さんが、You Tubeでインドネシア語の初心者向けに初歩の109個の単語をフラッシュカードのようにまとめてくださっています。
まずは、この109個から取り組むといいでしょう。これに肉付けしていくようなかたちで、+300語くらい。基本単語を500くらいは押さえておく必要があるように思います。
②反対語を押さえる(読解問題に頻出)
大問の1は、文章題です。ここで10問出題されます。同意語、反対語などを文章題の中で問われます。
反意語は例えば
といったところです。基本の文法書には、たくさん例がありますので、30個ずつくらい覚えておくと万全でしょう。動詞と形容詞、上下や右左、方角とかです。直前期で時間がない場合は、頻出の10ペアでもいいかも。
③類義語を押さえる(読解問題に頻出)
反意語と併せて、類義語も頻出です。例えば、
などを最低限、押さえておきましょう。覚えていたら得点できる箇所になるので、覚えているものが出題されたらラッキー問題になります。
④前置詞を押さえる(読解問題に頻出)
読解問題の中で、空欄に埋める前置詞を問う問題も出題されます。これは、文脈から適切な前置詞を選択する問題です。前後の単語や文章の理解と、最低限前置詞の意味は覚えておく必要があります。
主な前置詞です。()内は、英語でいうところの前置詞です。
⑤文章題のラスト4問は、よく見れば解ける!
大問1の文章題の最後の4問は、インドネシア語での質問に選択肢4つの正しいインドネシア語解答を選ぶ問題です。
E級では、素直な問題が多いので、質問の語句を文章から探して、その部分の近くに答えがそのまま載っているという答えがほとんどです!これで、4問中3問は正解できるはずです。
現に、私は1回受けただけの身ですが、中身の翻訳がほとんど分からなくても、なんとなくこれかな?という解き方で正解できています。これは、多分E級だからという理由にもなるでしょう。
これが文章題のラスト4問を解くには必要な戦略です。
ただ、疑問形のかたち、
siapa(シアパ)(誰)
apa(アパ)(何)
kapan(カパン)(いつ)
bagaimana(バガイマナ)(どのように)
di mana(ディ マナ)(どこで)
kenapa(ケナパ)/mengapa(メンガパ)(なぜ、どうして)
といった、何を問われているかは、最低限押さえないと正答はきびしいと思います。問われている内容から、質問内容の記述を探して、そこにある文言や言い換えを選べば正解にたどり着けます。
リスニングは簡単だが、数字に注意する
リスニングは10分間で、5問出題されます。対策としては、過去問題集に音声ダウンロードのリンクURLとパスワードがあるので、そこで落としてしまいましょう。過去問には、問題文、選択肢が印字されていますが、実際は音声のみです。
①リスニングの形式は少し特殊
リスニングは、比較的容易ですが、形式が少し特殊です。普通のリスニングは、2回読む場合は、2回ずつ読んで進みますが、インドネシア語検定は違います。
②質問文、回答文も印字なしで1問~5問のセットを2回読む
リスニングは、10分間で、1問目から5問目まで一気に出題されます。日本語で形式の説明があります。5問までいったあとに、もう一度1問目から2回目の放送です。
質問文と回答文の印字はなしです。最初に、何回目のE級試験です、とインドネシア語でアナウンスがあって、satuサトゥ(1問目) ・duaドゥア(2問目)・tigaティガ(3問目)・empatエンパッ(4問目)・limaリマ(5問目)と続きます。
5問目は、たいてい数字の聞き取りが鍵になります。3桁の数字は、何が来ても聞き取れるようにしておきましょう。3桁まで押さえておくと万全だと思います。
③リスニングはカンタン
リスニングはapa(何)とかsiapa(誰)とか、聞き取り記憶テストみたいな感じです。1回目で聴き取れなくても、2回目のときに、どこの部分を聞き取るか狙いをつければ解けます。聞いたとおりに解答するだけです。
過去問4回分20問で9割以上いけるくらいにしとけば十分です。
聞き取りテストです。何を聞かれているのか、1回目で分からなければ、2回目で確実に聴くだけです。
④リスニングが終わると解答用紙を回収されます
リスニングは、試験の最後に実施されます。終わると解答用紙を回収されます。まだマークしていない後回しの問題があったら、リスニングが始まる前に、きちんとマークしておきましょう。
me-接頭辞問題が出たら1問ゲット!
大問のⅣ(文法)問題の1問目で、me-接頭辞問題が出ることがあります。これがきたら、1問ゲットできます。
動詞の接頭辞の付け方の種類で、4択の他と違うものを選ぶ問題です。理屈はこうです。
L,M,N,Rで始まる→「me」をつける(nyanyi(歌う)⇒menyanyi)
B,Fで始まる→「mem」をつける(beli(買う)⇒membeli)
D,J,Cで始まる→「men」をつける(jual(売る)⇒menjual)
G,H,A,I,U,E,Oで始まる→「meng」をつける(hitung(計算する)⇒menghitung)
Kで始まる→「K」を「mem」にする
Pで始まる→「P」を「mem」にする
Sで始まる→「S」を「meny」にする
Tで始まる→「T」を「men」にする
この知識を語呂合わせで覚えました!今持っている過去問では、4回中3回出題されていました。2024年7月の試験でも出題がありました。
me-接頭辞の語呂合わせは?
です。語呂合わせなので、意味はないです。正解できたらいいじゃん、という考え方になります。
4つの単語のうちの仲間外れを探せば正解です。単語の頭文字だけで判定すればOKです。
4択で他と違うものを探すので、必然的に「LMNR」か「DJC」か「GHAIUEO」の中に1つ違う接頭辞がある、という問題になります。
6割以上(21問以上正解/35問中)で合格する戦略は?
では、インドネシア語検定E級で確実に合格するために、どういう戦略でいけばいいでしょうか?得点戦略を具体的に述べてみます。
E級の問題構成は?
問題構成は、
Ⅰ(読解…10問)
Ⅱ・Ⅲ(語彙1・語彙2…10問)
Ⅳ(文法…5問)
Ⅴ(翻訳…5問)
Ⅵ(リスニング…5問)
の全35問です。合格は、約6割正解です。回によって、調整もあるようですが、35問中21問正解で6割です。私が受けたときは、得点調整があったようで、19問(54%)で合格でした。
①4択なので消去法
すべて4択なので、正解は1つで、消去法で絞っていきます。
②リスニングは満点であと16問を残り30問で取る
対策がしやすいリスニングは、満点を取る前提で、残りの30問を16問、53%正答しましょう。その中で、Ⅱの語彙問題は、4つの単語で他と違うジャンルの単語を選ぶ問題です。ここは5問中4問は正解したいところです。(私は多分2,3問しか取れていません)
単語力だし、比較的容易な単語を日ごろから眺めておく。乗り物なら乗り物のジャンルの単語を絵といっしょにイメージしておく練習をしておくといいでしょう。文法書に、語彙力を鍛えるために、ジャンルごとの絵やイラストといっしょに単語がまとまっているページがあります。それを目に焼き付けておくといいでしょう。
③読解問題で6問取って、残り20問中10問を取る
大問1の読解問題の10問中6問はほしいものです(ラスト4問+2~4問で6問~8問)。6/10としても、残りの20問中の10問を取れば、6割に達します。
④8割目指して6割を取る
で、これは私が実践すべきことですが、6割ギリギリではなく8割取るつもりで、対策しましょう。8割得点できる力を本番で8割発揮すれば、64%正解になりますね。
⑤初心者が取るべき戦略は?
初心者で、授業などでインドネシア語を習った経験がない私です。そんな私でも解けそうな問題は、やはり単語力でしょう。類義語、反意語、前置詞といった問題でちゃんと拾っていく必要があります。知っているかどうか、で正解がつかめるところになりますので。
E級合格には、約何時間の学習が必要か?
何時間の学習時間が必要なのか?気になるところだと思います。
私は、完了主義で何時間の学習をしても、身についていないと意味がないと思っています。なので、何時間という言い方はあまり好きではないです。
多分、30~50時間は費やしました
あえて、概算で費やした時間を計算してみると、約30~50時間だと思います。耳学習で通勤のときに、聴いたりを含めると。
過去問学習で、1回につき2~3時間は十分かかりますので、それだけで4回分で10時間。単語を覚えたり、分からない単語を調べたり、音読をしたり。過去問を2回3回と解いたり。
試験前のラスト2週間は、毎日1~2時間は勉強していました。それまでは、まとまった文章を繰り返しリスニングと音読をしていた程度でした。
最短で、10時間学習でも合格可能かも
あくまで肌感覚ですが、初学者でも最低10時間は必要だと思います。学習開始時点で、インドネシアで生活していたとか、少し習ったことがあるという人は、問題形式に慣れるだけで、サクッといけるかもしれません。
全くの初心者だと、最短で10時間学習くらいで合格できると思います。頭脳王レベルなら、一夜漬けでいけるかもですけど、いわゆる凡人が受ける場合は、それなりの学習が必要ですね。
私の得点分布です
2024年7月受検の私の試験結果です。
読解 60(6/10)
語彙 60(6/10)
文法 80(4/5)
作文 40(2/5)
リスニング 100(5/5)
TOTAL 23/35(65.7%)66点
でした。トータル66点でした。今回の合格基準は54点でした。結果をみると、だいたい目標にしていた感じで取れたと思います。課題としては、読解であと1,2問、語彙であと1問、作文であと1,2問欲しかったです。それで8割得点くらいでしょう。
You Tubeで過去問を解説つきで学べる方法は?
E級の過去問では、解答のみで解説がありません。そこで、You Tubeで探してみたら、2008年とかですが、過去問を解説してくれている動画に出会いました。
インドネシアのネイティブの女性と、日本人男性の2人が出演されています。日本人男性が解いていき、インドネシア人の女性が解説を加えてくれています。ただ、再生回数は100回とか200回とかなので、あまり再生されていません。
4回分のボリュームで、過去問を解説してくれています。自分で過去問を解けない人は、まずはこの動画をみてみるのもいいかもしれないですね。
動画がこちらです。ただ、合格の決定打になるような動画ではなかったです。あくまで、副教材でしょう。地道な辞書引きと問題演習、音読などの方が効果はあると思います。
E級合格のその後は?
もしE級に合格できたら、次はD級!と上を目指していきましょう。
①D級、C級を目指す
さらに難しい級を目指していきましょう。私は、2024年7月にE級に無事合格できました。次の試験は2025年1月ですが、次にD級をすぐに受ける予定です。まだ記憶の新しいうちに、次の級にトライしていきます。今は、過去問とまとまったトピックの音読と丸暗記に取り組んでいます。
英語でいうところの中学の教科書丸暗記作戦をインドネシア語でもしようとしています。基本のトピックを丸暗記、暗唱できるレベルまでもっていくということです。
②C級は英検で言えば2級相当(合格率20%前後)
C級は合格率は20%前後の難関試験です。英検でいえば2級レベルくらいです。多分、C級までが、独学の限界でしょう。独学でも、今頃はYou Tubeでレベルの高い講義の一部を学べる時代です。ただ、何を聞いても答えてくれる先生の存在なしでは、C級くらいまでが限界だと思います。
英語でも、TOEICで800点くらいまでが、独学の限界という感じかも。それ以上になると、専門的な教育を受けることが必要になりそうです。900点を独学で行くような人は、英語学習法の本が書けるレベルですね。
私は、インドネシア語検定ではC級、TOEICでは800点というスコアを目指しています。ここ2,3年以内にそこの景色をみたいです!
③B級以上はビジネス会話レベル
B級以上は、ビジネスで使えるレベルになります。E級の過去問題集もE級からC級までが1冊です。そこより上は、ちょっと別格です。
まとめ
私は、インドネシア語を使って、いつか自分の会社のインドネシア関連の部署で働きたいと思っています。現地に行って、駐在する要員ではなくて、バックオフィスで日本の窓口を務めたいです。
うちの会社が、インドネシアとのつながりを広げようとしていますので、そこに乗っかっていきたいと思っています。
あなたも、無事に、インドネシア語検定のE級に合格できるといいですね!GOOD LUCK!