大学入試、公務員試験、士業資格など小論文を課される試験はたくさんあります。
今回は、小論文対策の特に同音異義語にフォーカスして記事を書いてみました。
この記事の同音異義語を押さえておけば、ほぼOKです。そういった事例を網羅しております。
小論文で漢字間違いしないために!誤字防止、同音異義語対策
出典は、公務員試験の通信講座(実務教育出版)「地方上級」教養試験の一般知識テキストです。他、気をつけるべき表現をまとめています。
これまでの漢字関係の記事がこちらです!漢字検定2級に関しての記事です。
小論文の同音異義語対策
同音異義語対策で、同訓の漢字の使い分けと同音異義語の使い分けに分けてお届けします。
漢字、用法、()はその漢字を用いた熟語です。
①同訓の漢字の使い分け<前半>
あう
- 合う 計算・目・意見・つじつま *が合う
- 会う 客に会う・出会う・巡り会う
- 逢う 火災・交通事故・ひどい目・反対 *に遭う(遭難)
あける
- 明ける 夜・梅雨・年季 *が明ける(明日)
- 空ける 席・家・時間 *を空ける(空席)
- 開ける 店・窓・口 *を開ける(開店)
あげる
- 上げる 値・範囲・利益・悲鳴 *を上げる(上昇)
- 揚げる 花火・歓声・てんぷら *を揚げる(抑揚)
- 挙げる 手・例・全力・犯人 *を挙げる(検挙)
あし
- 足 手足・足跡
- 脚 襟脚・雨脚
あたい
- 価 商品の価(原価計算)
- 値 一見に値する(最高値)
あたたかい
- 暖かい 気候・ふところ *が暖かい(暖炉)
- 温かい 料理が温かい・ふろで温まる(温風)
あつい
- 暑い 気候・日差し *が暑い(猛暑)
- 熱い ご飯が熱い・お熱い仲(熱中)
- 厚い 厚みがある(厚着)
あぶら
- 油 水と油・食用油
- 脂 牛肉の脂・脂が乗る
あやまる
- 誤る 誤りを見つける(誤植)
- 謝る 平謝り(謝罪)
あらい
- 荒い 波・気・金遣い *が荒い
- 粗い きめ・粒 *が粗い
あらわす
- 表す 言葉・感情 *を表す(表情)
- 現す 姿・正体・頭角 *を表す(出現)
- 著す 書物を著す(著書)
いたむ
- 痛む 足・腰 *が痛む(腰痛)
- 傷む 家・道路 *が痛む(傷心)
- 悼む 死・故人(哀悼)
いる
- 入る 気・堂 *に入る、恐れ入る(入館)
- 要る 金・保証人 *が要る(必要)
うける
- 受ける 注文・相談・試験 *を受ける(受験)
- 請ける 請け合う・下請け(申請)
うつ
- 打つ くぎ・電報 *を打つ(打撃)
- 討つ あだを討つ・討ち入り(討伐)
- 撃つ 鉄砲・鳥 *を撃つ(攻撃)
うつす
- 写す 写真・手本 *を写す(書写)
- 映す 映画を映す(反映)
うむ
- 生む 記録を生む・生みの親(生誕)
- 産む 卵・子供 *を産む(出産)
える
- 得る 勝利・許可 *を得る
- 獲る 獲物を獲る(漁獲)
おかす
- 犯す 過ち・法・罪 *を犯す(犯罪)
- 侵す 権利・土地・学問の自由 *を侵す(侵略)
- 冒す 危険を冒す(冒険)
おくる
- 送る 荷物・人 *を送る・見送る(送迎)
- 贈る お祝い・花束 *を贈る(贈呈)
おさめる
- 納める 税金・品物 *を納める(納品)
- 収める 利益・成功 *を収める(収益)
- 治める 国・領地 *を治める(統治)
- 修める 学問・身 *を修める(修了)
おす
- 押す 印・念 *を押す(押印)
- 推す 会長に推す(推薦)
おろす
- 下ろす 貯金を下ろす・見下ろす(卑下)
- 降ろす 人・荷物 *を降ろす(下降)
- 卸す 小売りに卸す・棚卸し(卸売)
かえりみる
- 顧みる 過去・過ち *を顧みる(回顧)
- 省みる 行動・自ら *を省みる(反省)
かえる
- 変える 位置・心 *を変える(変身)
- 代える 身代わり(交代)
- 換える 乗り換える・書き換え(交換)
- 替える 替え歌・社長が替わる(代替)
かげ
- 影 影が薄い(影絵)
- 陰 山の陰(陰口)
かける
- 掛ける かぎ・電話 *を掛ける(壁掛け)
- 懸ける 命・賞金(懸命)
- 架ける 橋を架ける(高架)
かたい
- 堅い 堅い話、口が堅い
- 固い 決心が固い(固体)
- 硬い 表情が硬い・硬い石
かわく
- 乾く 空気が乾く(乾燥)
- 渇く のどが渇く(枯渇)
②同訓の漢字の使い分け<後半>
きく
- 聞く うわさ・話 *を聞く(見聞)
- 聴く 音楽を聴く(視聴者)
- 効く 薬が効く(効果)
- 利く 機転が利く、気が利く
きわめる
- 極める 感極まる(究極)
- 究める 学問・真相 *を究める(研究)
- 窮まる 進退窮まる(困窮)
さがす
- 捜す 犯人・落とし物 *を捜す(捜査)
- 探す あら・職 *を探す
しめる
- 締める 帯・ねじ *を締める
- 絞める 首を絞める
- 閉める 戸・店 *を閉める(閉門)
すすめる
- 進める 歩・交渉 *を進める(前進)
- 勧める 入会・転地 *を勧める(勧奨)
- 薦める 人を薦める(推薦)
たえる
- 耐える 風雪・困苦 *に耐える(忍耐)
- 堪える 鑑賞に堪える
- 絶える 送金・仲 *が絶える(絶縁)
たつ
- 断つ 水・雑念 *を断つ(断念)
- 絶つ 消息・交際 *を絶つ(絶交)
- 裁つ 布を裁つ・裁ち物(裁縫)
- 立つ 人・波・義理 *が立つ(立派)
- 建つ 家が建つ(建築)
つかう
- 使う 機械・人 *を使う(使用)
- 遣う 気を遣う
つく
- 付く 利息・気 *が付く(付着)
- 着く 手紙・汽車 *が着く(到着)
- 就く 職・床 *に就く(就寝・就職)
つとめる
- 努める サービスに努める(努力)
- 勤める 会社に勤める(勤務)
- 務める 主役を務める(任務)
とまる
- 止まる 水道が止まる(中止)
- 留まる 目・心 *に留まる(留意)
- 泊まる 宿・港 *に泊まる(宿泊)
とる
- 取る 汚れ・資格・連絡 *を取る(取得)
- 採る 血・花 *を採る(採集)
- 捕る 虫を捕る(捕獲)
- 執る ペン・責任 *を執る(執筆)
- 撮る 写真・映画 *を撮る(写真)
のぼる
- 上る 川・坂 *を上る(上昇)
- 登る 山・木 *に登る(登山)
- 昇る 日が昇る
はかる
- 図る 合理化・解決・便宜 *を図る
- 計る 数量・時間 *を測る(計量)
- 測る 距離・高さ・深さ *を測る(測定)
- 量る 目方・分量 *を量る
- 謀る 暗殺・悪事 *を謀る(陰謀)
- 諮る 審議会に諮る
ふるう
- 振るう 腕・権力 *を振るう
- 奮う 勇気を奮う・奮い立つ(興奮)
- 震う 声・体 *を震わせる(震撼)
まじる
- 交じる 白髪・仮名 *が交じる(交錯)
- 混じる 砂・雑音 *が混じる(混合)
もと
- 下 法の下の平等・先生の指導の下に(門下生)
- 元 火・出版 *元・元の住所
- 本 本を正す・旗本
- 基 資料を基にする・基づく(基本)
やぶる
- 破る 約束・障子 *を破る(破談)
- 敗れる 競技・勝負 *に敗れる(敗退)
やわらかい
- 柔らかい *革・毛布・表情・手(柔和)
- 軟らかい 軟らかい話・硬さと軟らかさ(軟体動物)
わずらう
- 煩う 思い煩う・人手を煩わす(煩雑)
- 患う 胸・神経痛 *を患う・長患い(患者)
誤用しないように、しっかりと押さえておきましょう!
同音異義語の使い分け対策は?
続いて、読み方が同じで意味が異なる=「同音異義語」の用例をおさえておきましょう!
イジョウ
- 異常な神経
- 健康に異状なし
セイカク
- 正確な判断
- 精確な情報
インタイ
- 後進のために引退する
- 隠退して余生を送る
カイテイ
- 書物の改訂
- 定価の改定
カイホウ
- 民族解放運動
- 門戸を開放する
カンシン
- 上役の歓心を買う
- 文学に関心を持つ
- 美談に感心する
カンショウ
- 絵画を鑑賞する
- 人生を観照する
- 植物を観賞する
キカイ
- 農家も機械化した
- 器械体操
コウセイ
- 厚生資金
- 更生する
- 更正決定申告をする
キョウコウ
- 強行手段に訴える
- 強硬に反対する
ジキ
- 適当な時期を決める
- 時季の野菜
- 時機をうかがう
キョウソウ
- 生存競争の激化
- 競走で一等になる
ショウカイ
- 紹介状を書く
- 身元を照会する
シンチョウ
- 意味深長
- 慎重な配慮
ショウガイ
- 傷害事件
- 身体障害者
ゼッタイ
- 絶体絶命
- 絶対多数
テンカ
- 防腐剤を添加する
- 責任を転嫁する
- 山林を宅地に転化する
タイショウ
- 対称な図形
- 比較対照する
- 子供を対象とした本
ホショウ
- 安全を保障する
- 人物を保証する
- 交通事故の補償金
ツイキュウ
- 利益の追求
- 真理を追究する
- 責任を追及する
いろいろややこしいですが、実際に小論文や作文をするときに、ついつい誤りやすい熟語たちです。これは、実際に練習で書いてみて、誰かに添削してもらって、指摘される方が身に付くような気もします。
小論文の気をつけるべき表現<NG表現集>
次に気をつけるべき表現をご紹介します。
×必ず必要⇒〇~が必要だ
必ず必要、とすると必ずの意味が二重になるのでNGです
- ×シュミレーション⇒〇シミュレーション
- 誤用されている人が多いですが、シミュレーションが〇です
- ×「始め」に述べたように⇒〇「初め」に述べたように
- 物事を始める(開始)と(最初:1回目)の初めの違いです。
小論文の間違いやすい漢字集
ついやってしまいがちな漢字たちを紹介します。
- 最小限(×少)
- 完璧(×壁)璧の下は玉です
- 専門(×専の右上に点はなし ×問)
- 連帯感(×体 ×対)
- 分析(×折)
- 繋がる(×繁)
- 弊害(×幣)
小論文において、漢字の間違いが頻発すると印象が悪いです。
それで一発落とされることはないでしょうが、減点対象にはなると思われます。痛い減点になりますので、漢字がわからないときは、ひらがなで書くか別の表現にしてみましょう。
小論文の有効的な漢字対策<自分でよく使う漢字を極める>
次に、小論文の有効的な漢字対策です。これは、それぞれの試験の過去問題を実際に時間を測ったうえで、原稿用紙に文字制限通りに書いてみることです。
そして、その過去問演習で自分が使用した漢字と、書きたかったけど漢字がわからずにひらがなや他の言葉に置き換えた漢字をピックアップします。
その漢字を小論文の試験の前に確認しておきます。
あくまで私の場合ですが、ピックアップしていた漢字はこちらです!自己PR用の小論文課題でした。
- 真摯
- 適度
- 挨拶
- 潤滑油
- 職場
- 経緯
- 感謝
- 覚悟
- 全身全霊
まとめ(小論文の漢字対策)
小論文の主に誤字と同音異義語対策をまとめてみました。同音異義語の誤りで減点してはもったいないです。
あなたにそういう思いをしてほしくないので、まとめさせていただきました。何かのお役に立てたら幸いです。