同じ原作の小説から、なんと2つのマンガが出版されている『薬屋のひとりごと』。両作品とも読み進めている私が、違いと魅力を紹介します。
「薬屋のひとりごと」の2つのマンガ
同じ原作の小説から、なぜか2つの異なるマンガが出版されている「薬屋のひとりごと」。この記事では、両作品の魅力と違いを解説していきます。
まず、2つのマンガはそれぞれ「月刊ビッグマム」と「月刊サンデーGX」にて連載されています。 これに関しては、作者や出版社からの明確な理由は示されていないが、複数のマンガで同じ原作を描くことで、作品の長期性が高まり、話題性を維持できるかもしれないという利点があります。
「月刊ビッグマム」と「月刊サンデーGX」掲載の2つ

次に、それぞれのマンガの特徴を見てみましょう。
月刊ビッグマム版は、「ネコクラゲ」氏による描きで、ヒロインキャラクターと丁寧な絵柄が特徴です。
一方、月刊サンデーGX版は「倉田三ノ路」氏による絵で、リアル寄りの絵柄が特徴なので、サクサクと読み進めることができます。
この2つのマンガは、原作の小説の魅力を尊重しつつも、異なるアプローチで展開されています。キャラクターの魅力やストーリーの進行スピード、絵柄など、読者はどちらのバージョンを選ぶかは読者次第。同じ原作から派生した2つのマンガ、その比較と楽しみ方は、作品をより深く楽しむことになります
『薬屋のひとりごと』の作品とは
『薬屋のひとりごと』の作品内容 2つのマンガの違いを語る前に、まずは両マンガの大元となる小説の解説から。
舞台は、古代中国の漢漢を思わせるような皇帝 の存在する帝国。 主人公の猫猫まおまおは薬師として花街(現代で言う風俗街)で働く少女だった。
しかし、人攫いによって猫猫は後宮へ手伝い下の女として売り飛ばされてしまう。そんな中で、学があり、薬学にも精通している猫猫(主人公)と美形の宦官(かんがん)の壬氏(じんし)の関係も変化していきます。
ジャンルは「ミステリーx ラブコメ」
後宮で起こった出来事を解決していく「ミステリー」と主人公の猫猫まおまおと、美形の宦官の壬氏じんしの関係を描く「恋愛」がメインのジャンルの作品です。少女と宦官とのラブコメが描かれることも、作品の魅力の1つです。
物語は、古代中国を思わせる帝国を舞台に展開します。主人公の少女、猫猫まおまおは花街で薬師として働いていましたが、人攫いによって後宮へ売り飛ばされます。衰弱した状態を目に当たりにし、自分の薬師としての知識を生かして、難事件を解決します。
この出来事をきっかけに彼女は宦官の壬氏じんしと関わり、後宮内の出来事に巻き込まれていきます。何度と冒険が錯交するこの作品では、猫猫と壬氏の関係が変化し、古代の風俗街や後宮の謎解きが進んでいきます。ユニークな設定と複雑な人間関係が織り成す魅力的なストーリーが、読者を引き込みます。
薬屋のひとりごとはネット小説から始まり、その後マンガ化されました。月刊ビッグマム版ではキャラの魅力が引き立つ絵柄とキャラクターの心情が大切に描かれています。
月刊ビッグマム掲載『薬屋のひとりごと』
「月刊ビッグマム」で連載されている「薬屋のひとりごと」は、原作の小説から派生した魅力的なマンガです。 このバージョンは、ネコクラゲ氏による作画が特徴。特に第十八話「阿多妃」では、魅力的なキャラクターの心情が高い画力で表現され、読者に深い印象を残します。
月刊ビッグマム版では、「キャラクターの魅力」を最大限に引き出すことに力点を置いており、原作の世界観を絵に込めた独自の表現で再現しています。作者のアートワークによって、読者はキャラクターたちの感情や成長をより感じることができるでしょう。このバージョンは、物語の魅力を愛する絵柄で楽しみたい読者におすすめの一冊です。
月刊サンデーGX掲載『薬屋のひとりごと』
「薬屋のひとりごと」猫猫その後宮謎解き手帳」は、月刊サンデーGXで展開される別バージョンのマンガです。倉田三ノ路の描写が特徴で、独自の絵柄で物語を描きます。このバージョンは、物語の進行スピードに焦点をあてております、出来事や面白いごとに1話の形式をとっています。サクサクと進むストーリー展開が、読者に飽きない新たな刺激をもたらしています。
サンデーGX版では、キャラクターの描写よりもストーリーの流れを重要視し、緻密なプロットで物語が進みます。原作の雰囲気を維持しつつも、個々のエピソードに焦点を当てて月刊、読者はこのバージョンは、物語の要素に重きを置きつつも、リアル寄りの絵柄で表現される世界観を楽しみたい読者におすすめです。
まとめ
月刊ビッグマム掲載バージョン、月刊サンデーGX掲載バージョンの2つの特徴を紹介しました。それぞれに良さがあります。
ただ、なぜ同じ設定で2つの種類のコミックが存在するのか、という理由まではハッキリと分かりませんでした。
それぞれの良さを理解して、好きな方を読むもしくは両方読んでみてはいかがでしょうか?